トマト研究推進のための変異体リソース整備(NBRPトマト)

 トマトは果実を発達させる点、日長応答が中性である点など、シロイヌナズナやイネなど従来のモデル植物にはない特徴を持っており、ナス科のモデル植物および果実発達研究のモデル植物として注目されています。2012年にトマトの全ゲノム配列が解読され、今後の基礎研究・開発研究の進展が多いに期待されます。そこで私たちはナショナルバイオリソースプロジェクト(※1)の枠組みで、研究者がトマト研究を効率的に推進できるような研究基盤整備を行っています。

 具体的には、矮性品種マイクロトムをもとにした13,000系統以上の大規模変異体集団を作成・保存し、その表現型をデータベース(※2)で公開して種子を国内外の研究者に配布しています。トマト栽培種・近縁野生種、形質転換体の収集・保存・配布も行っています。さらにこれらのリソースを効果的に利用するため、TILLING技術(※3)などのツール開発も行っています。

 大規模変異体集団の中には、果実の日持ちがよくなったもの、果実のサイズが変わったもの、糖度が高くなったもの、単為結果するものなどが含まれ、これらの形質を制御する遺伝子の解析を進めるとともに、実際の品種改良に役立てていきたいと考えています。

 

※1 National BioResource Projectを略してNBRPと呼ばれる。ライフサイエンスの総合的な推進を
   図るために、実験動植物や微生物等のバイオリソースのうち、国が戦略的に整備することが重要な
   ものについて、体系的な収集・保存・提供等の体制整備を行うプロジェクト。

      NBRPウェブサイト  http://www.nbrp.jp/
      NBRPトマトウェブサイト  http://tomato.nbrp.jp

※2 マイクロトム変異体データベースTOMATOMA  http://tomatoma.nbrp.jp/

※3 Targeting Induced Local Lesions IN Genomesの略。
   ゲノムや遺伝子上の1~数塩基の塩基置換を検出する方法。